ヤブ医者のつぶやき~第2弾
前回の続きとして、皆さんの対処法を中心につぶやきます。
確認しておきたいのは、コロナウイルスのような急性ウイルス感染症には有効な治療法はそもそもありません。医療として出来るのは、いわゆる支持療法であり、解熱剤・鎮咳剤などの症状を和らげる処方の投与、細菌の二次感染に対する抗生剤投与、水分摂取不可時の点滴ぐらいしか可能なものはなく、ちまたで騒いでいるECMOなどの呼吸管理はARDSなどの呼吸器症状が増悪したときの最後の手段で用いられます。
上記のように、医療機関を受診してもやれることは限られており、自宅で安静加療していることが最善です。報道などで何回問い合わせしてもコロナのPCR検査を拒否される旨がありますが、検査自体が参考にしかならず、陽性となったところで、医療機関でやれることはありません。その方が病院に来院し、PCR検査をすることも、医療者並びに通院時の接触した人への感染機会を高めることしかなく、自宅安静を保つことが医療崩壊を防ぐ最善の手段と考えます。
自宅で待機されている方は、手持ちの感冒薬または近医より処方された解熱剤などで対処されることになると思いますが、その時の注意事項も記載させていただきます。発熱、咳、鼻水、下痢などのいわゆる感冒症状は、ウイルスに対する免疫反応であり、ウイルスに対する抗体などの免疫が完成して初めて軽減していくものです。風邪の時の処方は1日3回服用する様な処方が殆どと思われますが、発熱を例に説明します。
発熱は典型的な体の免疫反応であり、簡単に言うとウイルス排除のための症状です。したがって、解熱剤を継続して服用しても、免疫が完成するまで発熱は続き、かえって体力を奪う危険性と治癒の日時が推定できなくなるのです。服用しても無駄というわけではなく、症状が増悪すれば、それによって体調が悪化することが出てきますので、症状を軽減する処方薬は頓用で服用するのが原則です。これを守っていただき、なんとか在宅で対処していただくことをお願いいたします。
次に処方薬など、これから期待される治療について、意見を述べさせていただきます。ウイルス感染症の自然免疫が発動するのは、発症してからすぐと思われますので、急性のウイルス感染症については特効薬を使用しても過剰な免疫を押さえることは出来ません。現在、アビガン(抗インフルエンザ薬)が使用されていますが、軽症例には効果があり、重症例に効果がないのは、このことがあるためと考えます。つまり、過剰な免疫反応が起こってからウイルスをやっつけようとしても、病状の原因はあくまで体の過剰反応ですので、効果は期待できないと思います。結局、免疫力をいかに維持するかが勝負と考えます。また、ステロイド吸入剤が効果があるとか、サイトカイン(体の免疫反応物質)の産生抑制剤などがネット上で有望とされておりますが、これらが有効かもしれないと言われているのは、いままで述べてきた免疫の過剰反応を押さえるからと考えますので、盲信すべきではないと思います。
最後にもう一度、皆さんの出来ることを強調したいと思います。小生もですが、確かに感染の恐怖はどんどん増幅されていますが、やるべきことは、自分の免疫力を信じて、それを低下させないようにすること、自分が感染拡大の加害者になることを想定したマスク着用を中心とした感染対策、医療崩壊につなげるような無意味な医療機関受診を避けること、これらを徹底させてコロナ危機を乗り越えましょう。